製品開発者ブログ
漢字モデル 和の誕生について
2020.11.12
2016年から弊社オリジナルのモデルを誕生させたいと思っていました。
全てゼロからのスタートとなったわけですが、決めていたことは使用される先生方が退屈しないこと、また、使用される先生方や機器を汚さないことでした。
そのことから、樹脂をオイルで膨潤させたものは絶対に使用しないと決めました。
弊社は元々化学製品を扱う会社でもあり、様々な人脈に相談を続けていました。
現状のモデルを見せると、一様に驚きの表情を見せていました。
医療機器に使用する材料も扱っている関係で、環境や医療現場での衛生面では厳しい企業ばかりです。
それらを踏まえて3年の年月を費やし、弊社オリジナルレジンを構築することができました。
肝心のモデル形状について、如何に退屈をさせないかに腐心をしました。
また、縫合練習をする際に引っ張っても切れないことは避けるべきと、ご助言もいただきました。
切れないことでトレーニングで変な癖をつけることになり、臨床で悪影響を及ぼすとのことです。
たまたま本を読んでいる時に見た文字に閃きました。
縫合で文字を完成させることはどうだろうか?とアイディアが思い浮かびました。
2019年1月から開発を開始いたしました。
開発を始めたものの、非常に難易度の高い成形に何度も失敗を繰り返しました。
失敗を繰り返しつつ、何人かの先生方にご意見をお伺いしながら、根気強く一つ一つの問題点を解決してまいりました。
台北で2019年8月に開催された医学生向けの学会にIRCAD Taiwanが展示する際に弊社も参加させていただく機会をいただきました。
それまでには、完成させたいとの一心で開発を加速させました。
台北へ向かう機内には漢字モデル 和が同乗をしていました。なんとか間に合いました。
生みの苦しみが大きかったほど、誕生した漢字モデル「和」は愛おしい製品となりました。
幸いに石川県立中央病院 消化器外科 林憲吾先生にとても素晴らしい動画を作成していただきました。大変ありがたいことです。
林憲吾先生作成 漢字モデル和の動画
学会やハンズオンセミナーなどで地道に紹介活動を続けましたが、幸いに第43回日本産婦人科手術学会において、ハンズオンセミナーで漢字モデル 和が使用されることになりした。
誕生までには大変時間がかかりましたが、多くの先生方のトレーニングに役立つことを信じています。